皆さん、こんにちは!ファイナンシャル・アドバイザーの板津由華です。
■貯蓄から投資へ
2001年にiDeCo制度が始まり、2003年から小泉純一郎元首相が「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げて証券税制の優遇を打ち出してから、これまでさまざまな優遇制度が施行され、日本人の投資への関心は少しずつ高まってきました。
しかし、2008年9月に、「100年に一度」と言われる世界規模の金融危機(リーマン・ショック)が起こり、株式や不動産の価格はショック前の半値以下になるなど、多くの人が投資に対して「恐怖」を覚えてしまう事態が発生し、「貯蓄から投資へ」の動きが停滞しました。
その後、2012年から安倍晋三元首相による「アベノミクス」と日本銀行の黒田東彦総裁による「大規模金融緩和」によって、日本経済は徐々に回復へと向かい、2014年にはNISA制度、2016年にはジュニアNISA制度、2018年にはつみたてNISA制度が施行されるなど、国民の「貯蓄から投資へ」の動きを後押しする制度が次々と始まりました。
しかし、残念ながらこうした制度の「価値」が国民に伝わっておらず、NISA口座等を開設はしたものの、口座へ入金もされず、運用もされず、そのまま放置されているという場合がほとんどでした。
国が説明や奨励を怠っていたのでしょうか?実は、そうではありません。
「投資について相談できる相手」がいなかったからなのです。
■日本人の9割が金融機関にカモにされている
皆さんは、「投資について相談する相手」というと、最初に誰を思い浮かべますか?
恐らく、銀行や証券といった金融機関の営業員を思い浮かべるのではないでしょうか?しかし、彼らは、iDeCoやNISAについて、真剣に相談に乗ってはくれません。なぜなら、iDeCoやNISAは、金融機関の営業員にとっては、売上金額が低く、手数料もほとんど取れないため、金融機関の利益にならないからです(手数料などのコストが低いことは、あなたにとってはプラスなのですが)。
では、いったい誰に相談をするべきでしょうか?答えは、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。
■適切なアドバイスをくれるFPは日本に5,000人未満
FPは、「相談料」をもらうことによって、投資運用についてアドバイスをしてくれる、「お金の世界のお医者さん」です。あなたの家計や投資運用の悪い部分(病気)を見つけ、改善案(治療方針)を示してくれます。こうした「相談料」で適切なアドバイスをしてくれるFPは、実は日本にはまだまだ少なく、日本全国に5,000人にも満たないと言われています。
日本の99%のFPは、いずれかの金融機関に属しているか、またはその代理店となって、金融商品を販売・仲介し、「売上金額」「手数料」「契約数」によって評価・報酬を受けています。そのため、所属・代理している金融機関の商品を販売・仲介するための偏ったアドバイスしかできず、残念なことに、「あなたにとって本当に有益なアドバイス」をすることはできないのです。
日本に5,000人にも満たないFPを見つけることは、一般の人にとってはとても困難なことです。また、運よく見つけられたとしても、東京や大阪といった大都市圏に集中しており、地方にはほとんど存在しないため、これまで多くの人々は優秀なFPに相談をしたくても、することができませんでした。
■リモートで都心の優れたFPに全国から相談できるように世の中が変化した
しかし、2020年から世界中で蔓延した新型コロナウイルスの影響で、世界中・日本中にリモートワークが浸透し、リモート(オンライン)で相談・面談をするという仕事のスタイルが定着しました。これにより、地方に在住している人でも、大都市圏にいる優れたFPに相談することが可能になったのです。
リモートは移動を必要としないため、必要な時に、いつでも、すぐに相談をすることができるという利点があります。また、一般的に対面相談よりもリモート相談のほうが相談料も低く設定されています。自宅などのリラックスできる空間から、パソコンやスマートフォンについたカメラでお互いの顔を見ながら相談ができ、画面を共有することで、問題点などをすぐに伝えることのできるリモート相談は、FPだけでなく、さまざまなビジネスやプライベートの場面でも重要性を増しています。
そうはいっても、日本人の多くは、まだまだリモートを使いこなせていない人も多いのではないでしょうか?しかし、これからの社会では、働き方はリモート中心となり、出社は「必要な時にだけ」という「ハイブリッドワーク」が主流になっていくことでしょう。
そのため、リモートを使いこなせない人は、社会から淘汰され、「職業の選択の自由」が狭まることになることが想定されます。仕事の場でいきなりリモートに挑戦するのは、操作などに手間取ることで職場や取引先に迷惑をかけたり、恥ずかしい思いをするのではないかと心配されている方は、こうしたFP相談で「リモートの練習」をすることも1つのスキルアップの機会になるのではないでしょうか。
ファイナンシャル・アドバイザー 板津由華
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